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貧乏体験

電気を止められて電力会社に直訴

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私が20歳くらいの頃、当時私の家は5人姉妹、母はシングルマザー。会社経営していた父と母が離婚したことで、私達姉妹は想像を超える貧乏生活になりました。

子供が5人もいるので養育費を父から送金してもらえるのですが、十分ということはありません。私が成人するころは父は再婚していたので、養育費を止められてしまいました。

地元のまずまずの会社に就職し、お給料がもらえるようになった私は、給料のほとんどを当然家に入れていました。

そんなあるとき、家に電話がかかってきました。母あてに男の人からでした。その頃の母は2度目の結婚に失敗したころでした。

遠い街に妹3人を連れて相手の家へ移り住みましたが、うまく行かず、元の家に戻ってきたのです。

移り住んだ街でどうも借金を作ってしまったようで、電話をかけてきた男の人は、その返済の催促でかけてきたのでした。

すぐ下の妹は高校卒業ののちに遠方に就職していたので、私と高校生、中学生、小学生の妹が家にいました。

私と母が勤めに出ている平日の夕方に、そうした催促の電話に小さな妹が出て返答するのは、本当に心苦しいことでした。

母も私も必死に働いていましたが、どうにも借金を返済しながらでは生活費が足りなくなることも度々ありました。

電話はしょっちゅう止まりました。携帯もです。ガスは近所の店にかけにしてもらってましたが、支払いに行かないと止められました。電気もしょっちゅう止められてましたが、支払いに行くとすぐ通電してくれたので、あまり気にしていませんでした。

あるとき帰宅すると、部屋は真っ暗でした。誰かはいるはずなのにおかしいなと思いながら中に入ると、暗い中に懐中電灯をつけて小学生と中学生の妹がいました。

「電気がつかなくて宿題ができないの」このとき本当に情けなくて涙が出そうでした。こんな小さな妹たちの大事な暮らしさえ守ってやれないのかと、自分の無力さに落胆しました。

暗い部屋の中から、電力会社の支払い用紙をなんとか探し出して、会社の業務用の携帯から電力会社に電話しました。

電力会社では度々支払いの遅れる我が家は要注意客のリストに入っているようで、今日の電気が止まってしまったのは、昼間、工事担当が私の家の電気の引き込み線を切って供給を止めたのだ、とのことでした。

「支払ってもらえたら明日から使えますよ」と言う電話の声に対し、「今すぐ支払うからすぐ使えるようにしてください!小さい子供の食事も用意できないんです」私は語気を強めて訴えました。

電話を切ったあと、手元にあるありったけの現金と支払い用紙を持って、コンビニへ向かい、電気料金を支払いました。

支払い終わって家に戻ると、電力会社の工事車両が来ていて、私の家の電気の引き込み線をつなぐ工事をしていました。

ほどなくして電気は通り、その日はなんとか普通に過ごせました。当事者の母は、この騒ぎの後に仕事を終えて帰ってきました。

しんどい過去ではありますが、実際この体験は私自身の糧にはなっています。もう貧乏はしたくない。貧乏するなら自分一人でするんだ、と決めています。

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