見てしまった

ご近所さんの秘密を見てしまった話

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私の近所には、身だしなみやルールにとても厳しい人がいます。

Nさんというのですが、とにかく真面目な人なのです。

通学途中の高校生が二人乗りしていると、大声で怒鳴ったり、ごみ捨てのルールを守らない人がいたら、平気で説教をするような人で、ちょっとだけ苦手な人でした。

もちろん、普段はとても優しくて親切な奥さまで、旅行に行ったときには、必ず近所の人にお土産を買ってくるような人でした。

お宅にも何度か遊びに行ったのですが、まるで室内はドラマのセットか、モデルルームかのように綺麗で、お茶を飲むだけでも緊張してしまうほどでした。

Nさんは、50代半ばで、いつも髪を後ろで束ねて、夏でもだらしない格好などは見たことがありません。

とても綺麗な人ですが、メイクはほとんどしていなくて、服装も地味な人だったのです。

そして、私は度々Nさんから相談を受けていました。

それは、少し離れたところで家電の修理をおこなっているWさんのことです。

なにせ、常に気むずかしい顔をしていて、とても無愛想な人なんです。

挨拶をしても、返ってくることはなく、近所との付き合いもない人です。

一人暮らしのようで、畑では家庭菜園をしています。

Nさんは、Wさんの愛想のなさに、いつも苦い顔をしていました。

「今度、きちんと話をしてくるわ。ご近所同士の連携は、災害のときにも大切なのよ」

確かに、言っていることはもっともです。

私は、適当に相槌をして帰ってきました。

それから、数日後。

Wさんの家の前に植木鉢が出しっぱなしになっていて、私は教えるためにWさんの家を訪れました。

と、居間の窓が開いていて、そこからNさんの声がしてきました。

なんだか、ヒステリックに叫ぶ声がして、もしかして、ケンカ中なのでは?と、おそるおそるレースの端を捲ってみました。

そこで、私は見てはならないものを見てしまいました。

そこには、紅い唇で、長い髪を振り乱して、ボンデージを身にまとったNさんがいました。

そして、編み上げブーツで踏みつけているのは、Wさんです。

白いブリーフ1枚で、四つん這いになり、恍惚とした表情を浮かべています。

「女王様っ。もっと私を蔑んでくださいっ。私はあなたの下僕ですっ」

「お前のような下僕はいらないんだよっ。この役立たずがっ」

「ああっ」

鞭が何度も振り下ろされ、その度にWさんが喜びの声をあげるのです。

あまりにもあり得ない状況に怖くなり、私はその場を離れました。

なぜ二人がそんな関係になったのかわかりませんが、とにかく、ショックでした。

その後。

Nさんがいつも通りのキッチリしたスタイルで話しかけてきても、あの女王様ルックが離れません。

あんな光景、見たくありませんでした。

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