私が以前、働いていた職場はハッキリ言って、待遇が悪くて働き甲斐のない会社でした。
でも一緒に働いていた同僚たちとの関係は良かったですし、なかでもMさんはとても面倒見が良くて、みんなを笑わせるのが得意でしたので、そんな彼女と一緒に働くのが楽しくて、その仕事を続けることが出来ていました。
彼女は仕事に真剣に向き合ってきちんとこなしていましたし、美容にとても興味があっていつも身なりをキレイに整えている人でしたので、そんな彼女を私は尊敬していました。
そして彼女はお酒が大好きで、飲み会があるといつも盛り上げ役になって、笑いが絶えない楽しい飲み会にしてくれました。
そんな彼女が私は大好きでしたし、彼女が楽しく飲んでいる姿を見るのが好きだったので、飲み会に一緒に参加する時には私がいつも車を出して彼女を自宅まで送っていく役を果たしていました。
私は元々、お酒が弱いですので、その役を喜んで引き受けました。
そしてある晩、また彼女と一緒に飲み会に参加しました。
彼女はその飲み会の直前にとてもショックなことがあったらしく、いつも以上にお酒を飲むスピードが早くて、ベロベロになるまで飲んでいました。
そして飲み会の途中で眠ってしまうこともあったのですが、起きるとまたその飲み会を盛り上げるような発言をしてまたお酒を飲むというパターンを何度か繰り返していました。
私はいつもとは違う態度の彼女のことが心配でしたが、よほどショックなことがあったんだろうと思って何も言いませんでした。
そしてその飲み会がお開きになったので、私は自分の車を飲み会会場だったお店の入り口の近くまで移動しました。
そしてベロベロになった彼女と一緒にその車まで歩いていた時に、彼女の見た目がいつもとは違うことに気づきました。
彼女は普段、バッチリしたつけまつげをしているのですが、酔っぱらって目をこすったせいか、そのつけまつげが剥がれてしまっていました。
そのせいで目元の印象がぜんぜん違うようになっていました。
そして一緒に歩いている時に、彼女の体から何かが落ちて来たので慌てて拾ってみると、それは胸パッドでした。
それを見た時にはビックリしましたし、「見てはいけないものを見てしまった」と思って慌てました。
彼女が以前、やせ過ぎの体型について悩んでいるようなことを言っていたので、きっとバストの大きさを補うためにその胸パッドを使っていたのだと思います。
いくら普段、周りの人達を盛り上げたり、笑わせるのが得意な彼女でも、胸パッドを使っているのが分かると恥ずかしいだろうと思ったので、そっと彼女のバックに入れて彼女には何も言いませんでした。
でももしそのことがバレたとしても、きっと面白おかしいことを言って上手く誤魔化すんだろうなとは思いました。
ちょっと面白い思い出として心に残っているエピソードです。