20歳の頃、専門学校に通っていたのですが、学校が入っているビルはどのドアも立て付けが悪く、開けるのに一苦労が必要でした。
特にトイレのドアは開けづらく、またカギもスチール製のフックに棒をスライドさせるタイプのもので、錆びておりとても動かしづらかったのです。
そのとき、私はいつもどおりトイレに行き、いつもどおりに用を済まそうとしたのですが、なんとトイレットペーパーが切れておりました。
ビルは教室以外は空調がよくなく、寒い時期だったためコートを着てトイレに行っていて、コートを脱いでからズボンをおろす…という面倒なことをしておりました。
それくらいとても寒かったのを覚えています。
一度おろしたズボンをあげて、コートを持ち、トイレットペーパーのある別部屋へ移動します。
トイレにはよく扉の上部にカバンなどをかけるためのフックがついていると思うのですが、コートを脱いで用を済まそうとしたところ、フックがありません。
フックがついてない個室に入ってしまったのです。
他においておけるような場所もなく、着なおすのも面倒だったため、私は自分の首にバスタオルをかけるときのようにコートをかけて用を済まそうとしました。
また、生理中だったためついでにナプキンを取り換えようとポーチをあさって準備をしていたら、なんと扉が開き、女性と目があいました。
こちらが応答する暇もなく、「すみません!」と扉を閉じられ、そのときカギをかけ忘れていたことに気づきました。
本当に恥ずかしかったです…。
首にはコートをまき、ナプキンを手にした女性が、空室だと思っていたトイレの個室で用を済まそうとしていたら、誰でも驚いて扉を閉めます。
事件の瞬間は恥ずかしさより衝撃の方が大きかったため、恥ずかしいという認識は薄かったのですが、今でもその瞬間のことは鮮明に思い出せるため、やはり恥ずかしい出来事だったなと後になって感じております。。
また、扉を開けた人物は同じクラスメイトの仲のいい人だったため、教室にもどってすぐに声をかけたところ、私以上に恥ずかしさを感じており、何度も何度も謝られてしまいました。
私は兄弟が多く、朝の時間などにトイレの扉をあけられてしまう経験は初めてではなかったため、ダメージが少なかったのですが、一人っ子の彼女には衝撃的な出来事だったようです。
彼女の人柄が感じられるエピソードなのですが、謝られるほど、私としては恥ずかしい出来事なので、なるべく早く忘れてもらいたいと感じておりました。