夫とほとんど話さなくなって、かれこれ10年くらいになります。
離婚も考えましたし、現在でも、頭の隅に離婚という文字が浮かばないわけではありませんが、結局、お金の面での損得勘定が働き、今の生活を継続しています。
夫は人の気持ちがわからない人で、人とのコミュニケーションがとれません。
一流とはいえなくても、国立大学を卒業し、一部上場企業に勤務していたのですが、周りの人が出世をしていくなかで、平社員という結果でした。
当たり前だと思いますけれど、コミュニケーション能力の不足している人は出世はできない、ということになります。
にもかかわらず、自分は、子供のころ、神童と言われた、という幻想にいつまでもしがみつき、自分の能力のなさに気づくことができないままにいますので、結局、このような結果になったのだと思います。
それでも、子供が大学に入学するくらいまでの間は、私も共働き、自分のキャリアアップに忙しく、夫と無駄な会話がなくても、まったく気になることがありませんでした。
しかしながら、子育てがひと段落すると、夫となぜ一緒に暮らしているのか、という疑問を生じるようになりました。
そこから、少しずつ夫との距離ができ、今から約10年前から、家庭内別居の生活になりました。
子供が結婚し、子供が配偶者とともに商売を始めることになり、私は、ここぞとばかり家を出ました。
二度と帰ってくるつもりはなく、子供の商売を手伝って生活をするつもりだったのです。
ですが、子供は最終的に配偶者と一緒に商売をすることがうまくいかず、半ば、子供が追い出される形で、配偶者と離婚、持っていたお金もほとんどなくなってしまい、帰る場所が、夫の暮らしている家しかなくなり、やむをえず、子供とともに家に戻りました。
ここからが、なんともいえない地獄の生活です。いったん私は家を出た身。
確かに、家は私の名義の部分も当然あるのですが、だからといって、夫には離婚をいつでもしてもよい、と言って家を出ているわけで、そこに子供とともに戻るということは、とてつもない苦痛です。
とはいっても、ここでひるんではいけないと考え、私の所有物でもある家ですから、それを主張し、再度、同居、家庭内別居の生活の再開です。
この生活が、それまでの家庭内別居よりもさらに別居度の高い生活になり、かなり気まずいものになっています。
とりあえずの生活は、自分が働いて稼ぎ、なんとか生活費を維持するようにしていますけれど、これから先の人生を考えると、このままでいいのか、とても考えてしまいます。
さりとて、先立つものをほとんど失ってしまっている現状から、独立することもできず、離婚をすることもできない、という生活で、今後、どう生きようかと思案しています。