辛い体験

他人事ではないうつ病の怖さ

私は絶対無縁だと思っていたうつ病。うつ病の本やニュース、記事を見ても、うつ病は心が弱い人がかかる病気と思っていました。

しかし、社会人3年目になった時、私もうつ病を患ったのです。今から2年ほど前のことです。

その当時はものすごく仕事が忙しく、毎日の朝早くから深夜までの勤務は当たり前、しかし私の周りも同じようなワークスタイルの人ばかりであったため、最初はおかしいと感じていたことも、次第にそれが当たり前のように思っていました。

振り返ってみると、うつ病を発症する前から少しずつ症状は表れていました。
不眠、食欲不振、自信喪失、感情のコントロール不能、目の下の痙攣、難聴、立ちくらみ、目眩など実に症状は様々でした。

その当時は通勤時の電車の中でも、会社でも、家でも常に泣いてばかりいました。

泣いても泣いても止まらない涙。。:゚(;´∩`;)゚:。 いつしか感情がなくなり、全く生きた心地のしない日々でした。

感情や感動のない日々というのは本当に辛く、とにかく“死”が常に隣り合わせのようでした。

早朝の電車を待つホームでは、行き交う電車を見ては、ここで飛び込んだらどんなに楽なことかとすら思っていました。

体力だけには自信があった私。誰よりも負けず嫌いで、“できないです。”と断ることができなかった私は、さらに上司から仕事を押し付けられ、身動きが取れない状況にいました。

どれだけ辛くても、どれだけ苦しくても心の奥底で“まだ大丈夫、まだやれる”と思っていたのです。

そんな私を見て会社の同僚は毎日、“顔色悪いけど大丈夫?休んだ方がいいよ。”と心配していました。

もはやその時には正常な判断を下せないところまできていました。

そしてついに会社に行けなくなった日が来たのです。いつものように起き上がろうとしても身体がいうことを効かず、自分では病院に行くことすらできませんでした。

同棲していた彼に連れていかれた病院では、即日入院が言い渡されました。

辛いというよりも、これまでの苦しさからやっと解放されるという安堵感をとても感じたのを覚えています。

私の周りには同じように重度のうつ病に苦しむ人がたくさんいました。正直その環境にいるとますます気が滅入りそうでした。幸い私は1週間ほどで退院することができ、その後は抗うつ剤での治療が始まりました。

これまで鬼のようにあった仕事が急になくなってからは、逆に何をしていいのか分からず、今度は社会から隔絶されたように感じ、それまでとはまた別の不安を感じるようになりました。

また服用していた薬も耐性ができると、なかなか眠れなくなったり、さらに強い不安を感じるようになったり、上司に会ったらどうしようというとてつもない不安に襲われる日々が続きました。

主治医の先生からは、仕事を離れてゆっくり生活をしていると、必ず良くなる日が来るから、焦らずしっかり治していきましょうと言われ、とにかくその言葉だけを信じて毎日過ごしていました。

幸い彼氏がとても理解のある人だったので、そのおかげもあってうつ病を発症してから半年後、薬なしでも生活できるまでになりました。

うつ病が完治した今でも、都内の電車に乗ることはできません。

今でも夢に上司が出てきてハッと目を覚ますことがあります。

うつ病は今の時代、誰にでもなる可能性のある病気です。場合によっては、なんともなさそうに見えるかもしれませんが、本人にはとてもつらい病気です。

症状が痛みとして現れるケガとは全く症状が異なります。目に見えない痛みを治すには時間がかかります。そして何より周りの理解が必要です。

大丈夫と思わず、少しでも異変を感じたら病院を受診してください。

手遅れになる前に、症状が重くなる前に。

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