今年の大河ドラマ「いだてん」のハイライト番組が、23日(土)に放映されました。
「いだてん」の放映が始まって、まだふた月もたっていません。回数にしてわずか7話分。この段階で大河ドラマのハイライトが放映されるのは異例で、視聴率低迷を何とかしたい、というNHKの捨て身の姿勢が伺われます。
NHKの大河ドラマは、視聴率が最も注目されるドラマですが、今回の「いだてん」は過去最低を塗り替える勢いで視聴率が低迷しています。
初回の決して高くはなかったのに、その後も下降線です。毎週月曜日には、前日の視聴率の低さがニュースとなるのが恒例化しているほどです。
視聴率低迷の原因は、明治から昭和にかけての近代を舞台にしていること、実在の人物ではあるものの、歴史の教科書には登場しない無名の人たちの物語であること、という、ドラマのよしあしとは無関係な部分にあることは、誰もがわかっていると思います。
NHKの大河ドラマでは、やはり戦国時代や幕末や、とにかく「歴史もの」を観たいという考えが根強いのです。
2020年を前にオリンピックをテーマにしたために、国策ではないかと反感を持った人もいるようです。
過去にも何回か近代ものに挑戦し、その度に視聴率は低迷しました。実際に「いだてん」の感想を見ていると、ドラマとしては面白いけれど、大河ドラマという感じがしない、という意見が多く、古くからの大河ファンが離れてしまったことは間違いありません。
1年放映する連続ドラマでは、初期に下がった視聴率を盛り返すのは至難の業です。早めに手を打たなければ、というわけで、今回、ドラマはまだ序盤であるにもかかわらず、早々にハイライト放送となったようです。
ハイライト番組がどの程度の効果をもたらすかは、まだわかりませんが、実際にドラマを見ている私にしてみると、良い判断だったように思います。
大河ドラマの良さは、歴史の知識があれば、途中から見ても、大まかなドラマの流れがわかることです。
誰と誰が敵対し、どっちが負けて、その後ああなる、こうなる、と知っていながら見る、それが大河ドラマです。
ところが、歴史上の有名人物がほとんど登場しない「いだてん」では、途中から見ると、何が何やらさっぱりわからない。しかも、1つの回の中で時代を行き来するという大河では異例のストーリー展開が、わかりにくさに拍車をかけています。
途中から見てもわかりやすいようにサポートすることで何とかしたいと考えるのは、制作側としては当然だと思います。
とはいえ、これにより「いだてん」の視聴率がV字回復することはとても難しいと個人的に思ってます。
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